アニメ(印象)批評第一回 「瀬戸の花嫁」その3

 結局1クール目と同じ形で最終回を迎える様である。即ち永澄と燦の関係は2クール目に於ても特筆する展開は無く、全く同じノリで、更に今回は留奈の時の様な伏線(良い方に解釈)も無くいきなり唐突な山場が来る。これはひどい。伏線と云えば人魚試験官不知火の本来の目的の話が明かされたが、永澄×燦のラブ米要素とは一切関係無い。永澄は虚なる中心(※1)ではあったが、本当に字義通り”虚”の儘で終わってしまったのが笑える。キャラ的には面白いのが何人かいるのと、エピソードでも数話は良いのでまた見たいとは思うがHDDや光学記録媒体に残しておきたい作品では無い。最後に声優とキャラクター評をして終わる。言及しなければ勿体無い人達がいるからだ。

○瀬戸燦:燦のキャラはボケと云う割りにあざとさが無く、メインヒロインとしては良かったのでは無いかと思う。本人はどーかと思うが、演じる事に関しては安心して見られる桃井はるこ
○満潮永澄:先に書いた様に虚なる中心であるが、本当に没個性体である。美少女アニメのキャラならそれで良いんだろーけどね。役者は以前にも書いた様にシリアスな場面での演技が下手。因みに評価に就いては俺が書く時には全て同じであるが、飽迄もアニメと云うディスクール内に於ての評価であり、映画やリアル社会と比較してのモノでは無い。で、笑いの部分の演技はまぁ特に違和感が無かった。
○永澄父:典型的な弱い親父であり、役者も上手くこなしている。併し永澄巨大化エピ時の台詞は面白くない。脚本の問題だが。
○永澄母:前時代的な言葉を使うと”よろめき”の部分が多く割合を占めている。他の部分でも母親役としては上手いんじゃないですかね。
○瀬戸父:ノイズ。役者が上手い下手以前の問題。監督がおk出してるんだから監督の責任なんだろーね。
○瀬戸母:〆る部分で〆る強い母親。一度不知火事件で燦の代わりに見栄を切る場面は面白かったな。永澄を誘惑するとかいらねーエピだけど。役者さんは上手いんじゃないですかね。
○サル:力に弱い、寄らば大樹の陰的な性格を隠さずに実行する基本的に調子の良いキャラ。と言うかこれキャラ紹介? まぁいいや。各エピで効果的に絡んでくる、作品内で上手く使われた数少ない登場人物である。役者も上手い。早いセリフも聞き取り易い親切設計。
○巻:燦の護衛だがどの程度役に立ったのか良く解らん。二面性が綺麗に演じられている。まぁ翠星石のパワーアップVer.なのだが。桑谷さんは上手いでしょやっぱ。台詞聞き取れるし。「このフナムシが」は名台詞である。ここら辺の演技をまた見たいので消すのが若干ためらわれている。
○留奈:これも役者以前の問題。以前書いたうる星との対比で言うとランに相当するのだろうが、前にも書いたがノイズ垂れ流しキャラ。二面性が全く活かされず、アイドルにも見えず。ちょっとマジカノ話になるが、あれも俺の中ではFランクアニメである。(※2) 暴走した演技のお陰で一皮剥けた的な発言をしていたが、野川さんには申し訳無いがそーゆーのは成長では無いと思いますと。詳しくはマジカノの特典映像を。で、今回の留奈もそれ系である。野川さんは余り好きでは無かったが今回の作品が終わるに当たって逆に作品に恵まれずかわいそうなので応援したくなった
○政:永澄母子に惚れられるダンディーアフロ。過去話で声が池田秀一さんだったのが笑った。何故笑ったのか不明だが。留奈から繋がるマジカノ話になるが、村瀬克輝はまた機会があれば声優の仕事をやりたいと言っていたが、実際キャスティングされて正解だったなと。大人の男が登場した方が作品が締まるし、また役者も上手い。村瀬はマジカノ時に野川の演技を見て「背中が泣いている」と言い、それを受けた野川は喜んでいたが、声優としてのキャリアが無かった人間からの評価である。勘違いするなよ野川さんと思ったモノだ。まぁこれは留奈の項に書くべきだったか。詳しくは第五巻の特典映像であるマジカノ情報局を。まぁ手放しで褒めたい役者ではあるからこそ書いておくが、政のキャラは幅が無いので、そういった意味に於ては演技が楽だったとも言えるだろう。
○シャーク藤代:かっこいい?大人の一人。「食っちゃっていいの?」。いつも騒ぎから離れてクールな感じを醸し出す良キャラ。このアニメが放映中にデッドガールズが発売された為、そちらの情けない&その為ちょっと演技が下手な子安武人を観て面白かった。
○留奈パパ:パロディを貫き通した、と云うかそうせざるを得ない画のキャラ。この作品内で数回だけ笑った内の一回が彼絡み。即ち帰る際に校庭の焼却炉に降りていくところ。「ヒューマン」とか言うのも面白かったな。役者に就いてはよう解らん。台詞少ないから。
○銭形巡:燦の恋敵ともならず、何の為にいるのかよく解らなくなってしまったキャラ。ローゼン絡みで森永さんは応援したいがエロ声優。まぁ上手いでしょ。
○委員長:1エピソードもらえて良かったな委員長。メガネを外すとかわいいってキャラ。なんちゃらアマゾネスとか名乗って暴走したが、基本地味キャラとしてきちんと配置されていた。マジカノにも出てたが、りこさんはこういうキャラが良い。ローゼンで知ったからってのもあるが。
○不知火明乃:1クール目に登場していなかったにも拘らずOPには使われていたと云う謎だったキャラ。極上で途中までシルエットしか出てなかった隠密の矩継琴葉と桜梅歩みたいな。最近では最後までクレジットされなかった絶望の音無芽留の役者名くらい謎であった。おジャ魔女での女王様は無印時代にゆき先生が怪しいと思っていたが、結局あの段階では解らなかったのだが。まぁいいや。で、まぁ一応キーとなる人物なんだろうが、人魚試験と云うのが唐突であり、余り対象となる魚人達の切迫感が伝わってこず笑いに繋がらなかった。この作品で数回だけ笑った内の一回が彼の兄絡み。即ち池田秀一登場。上手いとか下手とかよう解らん。
三河海:なんの為にいるのか解らん。と云うかもうここまで来たらめんどくさい。終り。


 扨てラブ米の部分は前に書いたので、最後に”任侠ラブコメディ””コメディ”部分に突っ込む。前にもちょっと触れてはいるが。
面白くないです^^; 批評でも何でも無い純粋なる主観。全体を通しての笑いは”暴走部分”にあるのだろう。併し若手芸人さながらの勢いだけの笑いはどうであろうかと思うのである。典型的な”早い&うるさい笑いで構成されるバラエティ番組”に洗脳された人間向けの笑いである。
 もう1つはパロディである。と書いたもののシュワルツェネッガーしか思い浮かばない。あ、後なんかちょこちょこあったな。パロディはもうお腹いっぱいですが私見。上手く料理されていれば良いんだけどね。
 最後に細かい部分の笑い。思い出せるののみ。また村瀬克輝のTVショッピングかよと思った永澄巨大化の回。通常に戻す為に燦が使用するロンギヌスの槍みたいなの。一度溜めを作ってからの燦の槍投げ失敗。スタンダードだが、まぁ面白い。併しその後にもう一本おまけで付いてきたのが役に立つと云う、フツーは「一本ありゃ充分だろ、ってか初めから二つセットにしろよ、お得感とかいらねーよ」と突っ込む事は多いが、実際に二本目が役に立ったと云う笑い。まぁここら辺は面白かった。あと留奈のかくし芸大会出場の為にパペットとして練習される巻と留奈の攻防部分か。オチに使われる部分は弱いが、プッチャンとりのとか思い出したのでまぁ良い。

 と云う訳で終了。明日の最終回は「最終話(のみ)で互いに想いを確認し合った」のを既視感と共に見て何の感動も無く終わるのだろう。そしてまた日常が繰り返される事を示唆したエンディングでめでたしめでたしと云ったところか。てか早く他の作品の書けよ。これは面白いってのを。


瀬戸の花嫁 作品ランク:E この回にて了

※1 虚なる中心:物語の設定に於て、様々な多くの個性を持った登場人物が登場する作品の繋ぎを果たす為に使われる主人公、中心人物。他の登場人物を活かす為に基本、大きく能動的に動く事が少ない。併しその名の通り中心人物なので、何らかのバックグラウンド設定があったり、要所でストーリーの展開上重要な役割を果たす。
※2 作品ランク:A-G。Fは数話跳ばして見る程度。Gは1、2話程度のみ見て肌に合わない(つまらない)と判断した作品。因みにGは以前にも書いた事があるが、月面兎なんちゃらミーナ、リリカルなのはくじびきアンバランス等。他にもあるのだが題名の一片すら思い出せないのが多い。