アニメ(印象)批評第七回 「狂乱家族日記」

良質なコメディの骨格とフラグメントをパスティーシュ

 基本的に言語学記号論構造主義、亦ジュネットやそれ以後のバルト的分析も含め、でもポストモダンはプログラムで作れ、ナラトロジー(物語学)、モルフォロジー(形態学)、アナフィラキシー、カタレプシー等の専門的な用語を使う事は避け、併し飽迄それらはベースにある上での印象批評となる。とは云っても自己陶酔的なモノが多い頑張って書きましたよ的な印象批評では無い。飽迄主観のみの判断は避ける事がベース。アニメ、映画等に対しての体系が確立されていない適当な評論の言葉は借りない。とどのつまり一般の方へのアニメの薦めとしての感想文。コントではなくエアーなんです。空気なんです。イクラじゃないよ、果物だよ。タピオカ!キャッチでしょ?


 んー難しい。そのアニメに依って適当に切り口、ポイントとなる、を作っていつも書いているのだが、って量は全然書いてないが、この作品は難しい。ほんと今回は純粋な感想文、いやそれも書けるかどうか、他人に伝えられるモノかどうかは疑わしい。「何が面白いか」「何が面白くないか」を明確にしなければならないのだが、3話まで2周目突入したモノの、結局「好悪かよ」ってなってしまうっぽい。他の作品とは明らかに差異があるのだが。
 まぁエクスキューズが多くなったので簡単なところから書いていくか。

1:作画
 キャラクターデザイン雑。画は全体的に力が入っていないっぽいが、時折見せる一点豪華主義的な部分がある。(リビディナスな)サービス・シーン(以下LSS)は基本的に無し。これは非常にポイントが高い

2:登場人物、及び声優に就いても触れるだろうとの予測
 α)先ず軸となる虚なる中心、凰火。ぶれない。多くの個性あるキャラクターが出てくる中で、しっかりと落ち着いた役割を担っている為、作品がまとまりあるモノになっている。近藤孝行氏がまたその演技を巧くこなしている。而も良い声。
 β)凶華。暴れる猫。猫だが萌え無し。時々しゃべり方がオリジナルでじこ(真田アサミ女史)っぽくなるのと鈴が亦それを彷彿とさせる。「にょ」を一度で良いから語尾に付けて欲しい。(2度目観たら#7で言ってた。熱がっていた時)の併し首から上はミィ(SoltyRei沢城みゆき嬢)である。デフォで2倍、早いと3倍越えしてるんじゃねーか位、速聴に適したしゃべり。携帯電話と名付けられた技で中枢神経をコントロールできる設定だが、リアルでもあのしゃべりに依り、ウェルニッケ中枢が刺激され言語関連の部位のシナプスは強化(凶華)される事と思われる。
 自らを神、全知全能と呼び敵には容赦しないが、優しさの範囲が広く、そして深い。厳密な意味でのヲタ用語のツンデレでは無いが、ブラック・ジャック的なツンデレを持つ。即ち厳しい言葉で(態度をとるが)優しさ発揮。「くだらんな」から始まるパターン化された説教で多く見受けられる。
 前述のセリフに就いても、早いが丁寧な発声であり聞き取れるのがポイント。セトハナとの差異。
 γ)優歌。アリラジスペシャルで聞いた声優、ゲーム版の主人公アニー役花澤香菜。調べたらふゆほたる@Fランクアニメ”ムシウタだったので心配したが、アリスの「でっかい」に匹敵する言語兵器「さっぱり」を持っていたので安心。前者は形容詞、後者は副詞との違いはあるが。後、セリフに依ってキャラどころか役者も活きるのをここで再確認。即ち#1での「良かったぁ。今ので私の寿命はゴムの如く伸び縮みしたよ。」
 δ)月香。始めは唯のクラゲと思いきや、と云う設定。と云うか#2では寿司を触手を使い口?に運んでいたのが、#10では触手から直で吸い取っていた事の方が気になる。
 ε)雹霞。#1の短いシークウェンスでエヴァの主人公よりも内面の葛藤を巧く演じた、常に違った髪型をこころがけてます。広橋涼!キャッチでしょ? 朋ちゃんねるの時は特に印象に残る髪型では無かったが。一応男と紹介されていて女性に恋もするが、生物化学兵器なので性別はあるのか? と云う訳で俺の中ではかわいい雹霞。てか広橋涼の淡々したしゃべり。
 ζ)帝架。かっこいい大人。ライオンだけど。安元洋貴と云う人も後でチェックしなくちゃだわ。
 η)銀夏。オカマ。併し性同一性障害と云う設定らしいのでオカマでは無いか。
 θ)千花ちょwwwww 水銀燈じゃんwwwwwwwww と云う少々卑怯な手段で登場したキャラ。「こわしてあげる」と云う言葉や、一部のしゃべり方も水銀燈ライク。やるな戸松遥。チルドレンとこれしか知らんが。で、幼少時の衣装はまんまそれ。因みに原作の「壱さつめ」p149では「"水銀灯"に照らされて」との描写がある。姫宮姓(即ち水銀燈)として最後、姫宮炎上の際は「〜なのだわ」と真紅になっている(このセリフも原作と同じ)。一回目より二回目の方がゆっくり堪能できた。

 総じて主要人物、てか乱崎家の声優の演技に外れなし。銀夏は役上、ちょっと難しいかも知らんが。


 ι)その他。ゲストキャラの演技と脚本に於けるセリフのやり取りが凄い。てか共同作業であるアニメの役割分担が映画や舞台と違うっぽく、どの担当が凄いと名言できないのがいつも隔靴掻痒なのだが。脚本、演出、コマ割り(カット割り)、で、後、監督がどこまで指示を出しているのかとか。

 #4:旅行代理店副支配人桜井ちえり中原麻衣。この人は金朋さんといる時不機嫌そうな顔していたので狭量な人間として好きじゃなかったが、この作品での演技は良かった、てか印象的だった。大体俺が人間として判断する基準を、声優の座談会やらインタヴューにも当て嵌めているので、アホな子である金朋さんに対する態度が悪い、説教する人間等は好きでは無い。人として。まぁ実際の話中原麻衣金朋さんにいらだってたどーかは解らんが(マジカノの特典参照)。清水愛に苛立つ人間はしょうがない。

 #5:西倉明喜多村英梨。よく知らんが。ハスキーボイサー。凶華に理不尽な発想で付けられたニックネーム”ピエール”のサインを後生大事に背中に取っておくところ以外は印象に残っていないが、あれだけ個性的なキャラに囲まれていても消えてはいない。

 #7:中華屋の兄。調べんのめんどくさい。料理を出す時だけそれっぽい発音の中国語で紹介するのが面白かった。親父は中国人で殺し屋の筈なのに、唯のサングラスをかけた日本人のサラリーマンにしか見えないのがポイント。てか彼等は中国人では無いのか。まだこの回は一度しか観てないので後で観直す。

 #8:クッフフ〜w 死神三番森永理科。できれば仮面を付けている彼女と凰火が喫茶店で話している時等、周りの客が軽くざわめくSEが欲しかった。#1では凰火に向かって演説する凶華の周りに人だかりができ、子供探知メガネ的なモノをした凰火に他の客がヒソヒソ話すなど、リアルベース不条理系、即ち不条理ではあるが、飽迄彼等が住む環境は通常であるモノであった。それが変な仮面を付けている人間がいても当たり前になってしまうと唯の不条理になってしまう。まぁそれでも良いのだが、リアルベースの方が笑いの幅を作り易いし自然である。まぁ完全不条理系にするとハードルも上がるし、どちらにしろ違う意味で難しいんだけども。

 #8:オデッサ・エイ浅野真澄の所為でスペルマと言わされた斎藤桃子。結構好きなんだが、ってSoltyReiしか観てないんだが、ってかその批評もタイトルだけなんだが。元気な、恐ろしさを微塵も感じさせない演技。良い意味で(Byモツ)。

 #10:ムジャッキー釘宮理恵元気な良キャラなのさぁ。一瞬松岡さんかと思い、すぐ違うと気付くがクレジットを見るまでは誰か解らんかった。釘宮さんこーゆー演技もできるのね。

 #10:なんか海賊三宅健太しゃべりに嫌悪感。クレジットを見たらこの人。瀬戸の花嫁の時は監督が悪かったのかと思ったが、チルドレンの一発目、敵で出てきたオカマの超能力者もウザかったのでクレジット見たらこの人。今までのところこの作品で一番いらない声優。人柄とか、ラジオとかは全く知らないので、これ系の演技の声優としてだが、絶対出て欲しくない。俺の観るアニメには。TVでやってる分には良いが、金を稼ぐ手段の大部分を占めるであろうDVDを俺が買うのだから、万が一ここを観たコメディ関連に出費するスポンサーの方がいたら、あの唯トばせば面白いと云った感じのしゃべり、代表三宅健太は使わないで欲しい。またそういうのが面白いと思ってる監督も。大衆には受けても作品は次の世代まで残らないですよ。六巻まで予約したが、姫ごめんなさい、今後彼が出てきたら集めるのは止めて売り払う。作品自体、#10と#4は”安い笑い”を使っている部分もあってどーかと思うが。また後程言及するが。まぁムジャッキーのお陰で助けられた。
 #10を2度目観た後。通常のしゃべりは上記でこき下ろした程酷くは無かった。笑いを誘おうとする崩れた時の演技がどーよ?って感じでマイナスの印象が強烈に残ってしまった様だった。セリフが聞き取れないし。結局上にも書いたが、#10自体が失敗してる部分が大きい。まぁ後で書くと思うが。


 #11:鷹縁切子西野陽子さんって方。良い関西弁。てか京都っぽいまろやかさ。よく解らんけど。雹霞とのやり取りは良かった。非常に良い演技。雹霞と切子で映画できるよ。いや、映画は冗談にしてもOVAでその後を観たい。

 めんどくさいので#10と区切りが良いところで止めようと思ったのだが、#11の西野陽子さんとやらは外せなかった。
 

3:登場人物の動かせ方とスタンス


 とここで寝る。疲れた。でも先にランクだけ書いておく。まなびみたいにほっぽらかしになる可能性があるので。明日時間あれば良いがな。

途中にも拘らず1ト月以上過ぎて番外篇を書く→番外篇「狂乱家族日記」#19。ほんとに書き終えられるのかこの回?w

狂乱家族日記 作品ランク: 了