百万円と苦虫女を観た訳だが

 ストレス溜まりまくりでしたよ。ヴァーチャラなんちゃら冷却なんちゃらと云いつつ、結局佐藤聡美嬢が声優チャットで教えてくれたんで借りたと。邦画とフランス映画は基本肌に合わん。大体途中で消す。前にも書いた記憶があるが、一時は頑張って観てみようと思い、ジョゼとなんちゃらとか等有名なのも観たがワケワカランくて。まぁツマランって話なんだが。ダンボールハウスガールだかは結構頑張って3/4位まで観た。隣人13号の、誰か知らんが、狂気の演技はちょっと上手かったな。あ、あとなんとかって云うアクションが出来る女優?の心理操作でなんちゃら系もツまらんかったが、アクションが出来る人って日本でもいるんだ、ってとこは面白かった(追記:水野美紀が出ている"千里眼"と云う映画だった。一行感想メモに"緩急の緩はだらだらしてるだけ急はゴチャゴチャしすぎ"、"アクションシーンと英語使うところだけかっこよかった"、"適当な心理分析w"とあった)。マルサの女も良かったな。あーゆー緩急のある撮り方できる人っていないのかね。あと、山崎努氏が、他の俳優もそうだが、図抜けて上手いので好きってのもあるが。基本邦画はダラダラしてんのである。いちばんきれいな水はろっちんが良かった。結局俳優でって話になっちゃうのね。ホラーは結構好きだが、購入する程では無い。未だに前田愛と掘北マキの区別が付かん。両方なんかのホラーで観たのだが。
 話を戻すが、4時位に緊張の為、コパね、起きてしまい、時間が空いてるので、漸く、つっても借りてから3日程しか経ってねーけど、観ようと相成った訳ですよ。因みに蒼井優だかも勿論知らん。

 まぁ何が酷いってドアタマから出てくる登場人物が全部バカ。主人公も含め。リアルと云えばリアルである。大衆はみんなあんなモンだからな。併しこの主人公は酷い。優柔不断だが、時折キレる。コミュニケーション不全の人間の代表である。正に時代を象徴している映画だろう。ブンガクでも映画のホンでもその時代の影響を受けないモノは無い。併しここまで解り易く描いて何が面白いのかと。現実世界にバカが多いのに、何故娯楽である映画でまで沢山のバカを見なければならないのか。様々な種類を集めたバカの博覧会である。ルームシェアした女友達は勝手だが、いや、この登場人物に限らず身勝手で自己中が多いが、っつーかそれがバカなんだが、何故主人公はその後連絡を取らんのかと。バイト先でも出てこない。俺は神経症的にリアリティを求める性格では無いので多少の事は気にせんが、フツーは何か言うだろうと。幾ら内向的な性格だからと云って。それ程付き合いの無い人間と一緒に住む訳はねーだろーって。で、その別れた彼氏。何で知らねー相手に気遣えとか言ってキレてんだよと。この映画は多分自省を促す映画なのだろう。自分勝手な若い人間、いや、村の年寄りも出てくるから日本の社会に対してだな。一つの問題提起をしている映画なんだ。なるほど。策にハマった訳か。今気付いた。

 で、20分程耐えた後漸く、初めてバイトする海の家で安心できる。いや、ほんと聡美嬢お薦めじゃなかったら変な女友達の元カレの場面で中断してたよ。バカばっかだった所為で、最初はカキ氷の作り方を教えるオヤジも怪しく見え、その後も一々不安になったモノである。ナンパしてきた男も外見はアレだが、結構フツーな感じで良い子であった。村の話はトばしてホームセンター。なんかすぐお互い好きになってセックスして別れる。感動無し。ネギの件りだけ良かったが、直後にその流れでキスとか何その安いドラマって感じに。あそこのシークウェンスまで、一度も主人公はあんな笑顔を見せなかったのである。その内面をもっと広げろと。まぁキスした後もお互い笑ってたから良いが。
 まぁ結局行き違い、あり得なさ過ぎて笑える男の行動、の所為でまた新しい場所へ旅立つハッピーエンドと。魅力のある人間は1人も出てきませんでした。誉める箇所は2点だけあり、空が綺麗なところと裸が出てこないとこである。因みにアマチュアでも意味の無い裸を入れたがるヤツが多いのである。ほんとワケワカラン。

 ストレスが溜まる、そして現実の社会のカリカチュアライズとして捉えた場合比較する映画と云えば"ドッグヴィル"が挙げられる。あれは最後までヘヴィである。ラストでカタルシスを得たと云う人間はキチガイである。併し、ヒャクマンとヴィルを比較すると、同じ腹が立つって部分があっても、後者は傑作だと思うのである。もう数年経っているが、まだ観直したいとは思わないにしろ。何が違うのだろうか。後者は感情移入し易いと云うのはある。併しそれは関係無い。感情移入しないと楽しめない媒体は何であれクズである。それは読み手も同じであり、感情移入云々で批評するのは論外である。勿論唯の一般人の感想なら構わんが。
 関係無いが、あるが、紙媒体の物語の良いところはアタマが良くなるとか、チシキが身に付くとかでは無く、勿論それもあるが、色んな人間に感情移入できる事が挙げられる。勿論一人称のみで他の人間の内面の描写が無いものもあるが、小説が他の芸術媒体に勝ってる大きな部分の一つである。コドモの頃に、色々な立場、事情、考え、何でも良いが、の人間がいる事を知れるのである。先に書いた事と逆に見えるが、勿論感情移入してもおkだし、それをせず唯その世界に傍観者として入る事もできる、それが良い作品なのである。

 また長くなりそうなので止める。"沢城みゆきと十二の夜"の第3回で出ていたチュンソフトの人の事も思い出したので。あの人、事もあろうにゲームと小説・アニメを比較して前者の優位性を説いてたでしょ。ホンの世界は出来上がっている様に見えるが、読者の数だけ違う映像ができ、また物語もできるんですよ。文芸批評を学んでから言ってね。