パコと魔法の絵本を観た訳だが

 佐藤聡美嬢紹介シリーズ第2弾な。あの、アレだ、前田有一氏の映画批評を読んでくれw ほぼ同じ意見である。役者の演技が上手いってのと、知っている役者許りが多い所為で、って件りは個人的に別意見。また、「ファンタジーの世界に人々を引き込むには、現実世界とリンクする要素(観客が共感できる何か)を残すべきで、そこを頼りに切り開いていくほかない。」[超映画批評よりその儘引用] って部分では、小説の批評ではあり得ないモンなのでこれも抜かす。ホン読みからすると映画に対しても同じなんで。以前書いた"感情移入の必要性"にも繋がる。
 ので、良かった部分のみ。役所こうじとやらが上手い様には見えず。固まった心が変わるのならビル・マーレーである。再三登場の山崎努氏でも良かったと思うが。あーゆー、笑えない演技を求められていたからってエクスキューズは通用せんだろう。併し「あー!」と泣く部分では号泣。泣きの演技は良かった。あ、あと演技系で言うならば、パンク・ナースとチンピラが良かった。なんで出オチコスプレにしたのか不可解である。多分あーゆーのじゃないと笑いを取れないと思ったのだろうか。総括して下手な舞台を観ている様だった。アマチュアからセミプロの笑いの感覚であり、自主制作映画の笑いである。この作品に限らないが。あと、何故かガンダム(特に多し)、999、エヴァ等のアニメが使われていた。併し不覚にも「オヤジにも殴られた事が無いのに」の寝言では笑ってしまう。世代的なモンだろうが悔しい。
 あの女の子がかわいくなかったら多分モたなかったろう映画である。大体3章目位に分けられる、じゃあ芝居をやろうって事になってから落ち着くかと思えば、こちらも何故かCGと実写でコロコロ変わり意図が解らない。勿論パコの目から見た世界があのCGになるのだろうが、観難い事この上無し。コドモ向けか大人向けかどちらか解らん作品である。つまり、どちらに於ても失敗している訳だが。
 以前から書いておるが、一般=自分には訳の解らん笑いを"シュール"とカテゴライズし、面白いと思ってしまうのは"ナイスの森"にも観られ、ギムキョーイクのコドモの笑いに悪影響を及ぼすのである。まぁバカが増えるのは一向に構わんが。
 繰り返すが女の子が笑う場面は良かった。一々泣けたから。演技に拘らず。笑顔が良かったので。あ、あと、後半のパンク・ナースの演技もね。前半の変な演出があっても、良い演技と云うモンは埋もれないので見えてはいたが。良かった部分のみと言いつつ、またモンクが多くなってしまった。終盤の、無駄に豪華な5.1の音の迫力が笑えた。