「じっさい、あきれたもんだ」 ビーティが続けた。

「いまのやつらは、自分の身だけには、なにごともおこる気づかいはないと、信じきっていやがるんだからな。ほかのやつらは死ぬかもしれない。だが、自分だけは、安穏無事に生きながらえることができる。結果が生じなけりゃ、責任もないというわけだ。むろん、結果が生じたときはべつだ。

 "華氏四五一度" -レイ・ブラッドベリ